.

【2004年10月14日号掲載】
NEWボイス朝日

「犬を通して人の和を広げたい」


郡山市熱海町に、人間と犬がパートナーとしてよりよい関係を築くために開設された「Evergreen Dog Field」という会員制のクラブがある。代表の森一彦さん(51)と副代表の菊池和彦さん(51)は中学時代の同級生。くしくも愛犬を通じて30年ぶりに再会し、このクラブを立ち上げたという。今回はお二人にこのクラブについて、そして犬と人間の関係などについて話をうかがった。

EDFは郡山市熱海町の緑豊かな自然の中にある。ティーラウンジやウッドデッキのあるクラブハウスや大中小3つのドッグラン、さらに室内運動場や散歩コースなどが整備され、利用者は愛犬とともに自由に利用できる。

森さんと菊池さんは、普段はそれぞれ別の仕事に就いている。もともとアウトドアが好きで登山やスキーを趣味としていた二人は、やはりそれぞれに大型犬を飼い、中学卒業以来30年ぶりに再会し、意気投合したという。 「犬と一緒に居心地のよい場所をつくりたい」。そんな思いが、このEDFの始まり。最近、犬のための運動スペースという意味で使われるようになった「ドッグラン」という言葉だが、ただ犬のリードをはずし自由に走り回らせるのではないという。ドッグランは、飼い主と犬が一緒に遊ぶ場所のこと。普通の公園では他の方に迷惑になるので思い切り犬と遊ぶことはできない。だから、ドッグランのような場所が求められているのだ。いわば、森さんと菊池さんは自分たちが愛犬と一緒に遊ぶための場所をつくり、同じ思いを持つたくさんの仲間を集めたといえるかもしれない。

取材にうかがった日はあいにくの曇り空だったが、ドッグランでは数組の家族が犬と一緒に遊んでいた。また、ティーラウンジでは犬の傍らでのんびり読書をする飼い主や、親しくなった会員同士、愛犬談義に花を咲かせている姿も見受けられた。「このクラブを通して、たくさんの仲間に出会うことができました」二人は声をそろえる。それが何よりの宝だと。

一方、EDFの設立には、もう一つ別な目的もあった。菊池さんは、「自分で犬を飼ってみて、犬を飼う人のマナーが気になるようになりました」という。 「散歩でのマナーなどは、やはり飼い主のモラルの問題。犬と楽しく暮らすためには、飼い主のモラルを向上させなければなりません」

EDFでは、毎週訓練士によるしつけ教室を開いたり、カウンセリングを行ったりしている。健康や食事のことなど、専門のスタッフが相談にのってくれる。 さらに、二人はNPO法人「福島県パートナードッグ普及委員会」を運営している。この組織は、病院や社会福祉施設などへの訪問活動を中心に、動物とのふれあいによる地域社会への貢献を目指している。動物たちとのふれあいによって、ふさぎこんでいた方が明るさを取り戻したり、病人が病状に改善が見られたりと、これまで実際に感動的なシーンに出会うこともあったという。

「これからも、犬を通じて人の和を広げていきたい」というのが二人の願い。

「犬は人間にとって、大切なパートナーだと思います。犬を飼っている方、これから飼おうと思っている方は、自分が犬とどのような生活をしたいか、どのような楽しみ方をしたいかを考えてみるとよいと思います。そしてきちんとしつけ、マナーを守れば、より楽しい犬との生活が実現すると思います」

この日EDFに訪れていた方達と、そのパートナーである犬たちの間には確かな信頼関係が築かれているようで、クラブハウスには穏やかでゆったりとした空気が漂っていた。(取材・文/H・K)


copyright(c)2003 [Evergreen Dog Field] All Right Reserved
.